糖尿病の検査方法を見てみよう
糖尿病という名前から、尿検査をして、
尿に糖の成分が出ているか検査するのではないか?
そう思われている方は多いかもしれませんね。
確かに、糖尿病が進行すると、尿にも糖の成分が出ます。
でも、ある程度進行していないと尿糖はでません。
ということは…。
そう、もう尿に糖が出るときには、手遅れなんです。(^^;;
ここでもう一度糖尿病はどんな病気か思い出してみてください。
血液中の糖(血糖=ブドウ糖)の量がコントロールできず、
常に多くなっている状態でしたよね。
ということで、糖尿病の検査は、
血液を採取して行う血液検査で行われるのです。
血液の血糖検査とは
ところで、血糖値とはどうやって調べるのでしょうか。
血糖は食事のタイミングで増えたり減ったりしていますよね。
ですから、正しく測定するためには、
検査をするタイミングにも気を配る必要があります。
血液の血糖検査には、色々な検査方法があります。
【随時血糖値】
空腹かどうかに関わらず、検査をします。
【空腹時血糖値】
10時間以上絶食し、空腹の状態で採血をして、血糖値を調べます。
例えば、夜の9時から絶食を始めて、翌日は朝食を取らずに
血液を採取するといった、健康診断などでよく行われる
一般的な方法で、これを空腹時血糖値といいます。
【ブドウ糖負荷2時間後値】
10時間以上絶食した後、
75gのブドウ糖を溶かしたシロップを飲んでから、
血糖値を調べる方法です。
シロップを飲んでから30分後、1時間後、2時間後と
ブドウ糖の摂取(いわば食事)と血糖値の上下の動きを
しっかり見ることができます。
糖尿病型の判定基準とは
糖尿病の検査を行ったら、糖尿病型であるかどうかの
判定基準と見比べて、診断がされます。
一般的に、「空腹時血糖値」と
「ブドウ糖負荷2時間後値」の両方の検査を行わないと、
正確に糖尿病型であるとの診断は行えません。
気をつけたいのは、あくまで糖尿病「型」です。
糖尿病の診断は、再検査でします。
この判断だけでは、まだ決まっていないんですよ。
それぞれの検査結果を下の表に当てはめると
自分が糖尿病かどうか診断することが出来ます。
※※※※図参照
【正常型】
血糖値に問題はありません。
【糖尿病型】
糖尿病である疑いが強いので、再検査を受けます。
【境界型】
いわゆる糖尿病予備軍です。
糖尿病ではありませんが、糖尿病と診断する一歩手前です。
検査でわからない隠れ糖尿病に注意
会社や学校などで行われる健康診断で、血糖値を調べるとなると、
大抵は空腹時血糖値を測定することになります。
前日の寝る前ぐらいから絶食が始まり、
翌朝の健康診断開始時に採血をして、お昼からは食べてもOK、
こんな流れが一般的ですよね。
このような検査を上手に逃れてしまう穴があります。
それは「食後の血糖値」です。
いわゆる「ブドウ糖負荷2時間後値」なのですが、
一般的な健康診断では、測る機会はほとんどありませんよね。
しかしながら、食後血糖値は、
食後2時間後に200mg/dlを超えただけでも
糖尿病型と診断されてしまうのです。
空腹時血糖値が正常でも、このように食後血糖値に異常がある、
食後血糖値だけが高い糖尿病を持っている場合、
見逃してしまうケースがあるので、注意が必要ですね。
特に、血縁者に糖尿病の人がいる場合や、
メタボリックシンドロームの気がある人は、
ブドウ糖負荷検査を定期的に行うようにしましょう。
糖尿病と診断されたら再検査
糖尿病の血液検査である、
空腹時血糖値やブドウ糖負荷2時間後値を測定して、
糖尿病型であるとの診断を受けたら、
それでおしまいではありません。
必ず再検査を、速やかに受けましょう。
あくまで糖尿病「型」であるというだけで、
糖尿病かどうかの診断はこの先の再検査にゆだねられます。
再検査では、問診や2回目の詳しい検査が行われます。
糖尿病型って言われたから自分で出来ることからケアをする、
というわけにはいかないのですよ。
血糖値は、糖尿病以外の病気が原因で
引き起こされている糖尿病もありましたよね。
再検査をして、糖尿病の原因を見極めることは、
今後の治療をスムーズに間違いなく進めていくためにも
とっても大切なことなのです。
糖尿病の原因を見極めるための問診
糖尿病型であるという診断を受けて、
再検査をする時に、最も重要視されるのが問診です。
問診は、血糖値が上がっている原因が糖尿病であるのか、
もしくは、他の病気から糖尿病を併発しているのか
これを見極めるとても大切なポイントです。
問診って言うと、何を聞かれるのかと思うと、緊張しますよね。
大丈夫ですよ。
何を聞かれるのか、お教えします。(^^)
【家族の糖尿病歴】
糖尿病は、遺伝も関係ある病気です。
血縁者の糖尿病患者の有無を聞かれますので、
いるようならば、発症年齢や、その治療内容を
メモしておきましょう。
【肥満の歴史】
肥満は糖尿病と深いかかわりがあります。
20歳の頃の体型と、一番太った時期の体型など
自分の体型の歴史をまとめてメモしていきましょう。
【出産経験】
女性の場合、妊娠、出産に関して、
妊娠時の血糖値や、妊娠糖尿病の有無などを聞かれます。
母子手帳があると良いでしょう。
【症状】
カラダに感じる違和感や何らかの症状があれば伝えます。
糖尿病の自覚症状のほか、糖尿病を併発する病気の症状など
ある、なしを問われます。
【持病】
糖尿病以外の病気があれば伝えましょう。
大切なのは、それぞれの質問に誠実に答えることです。
どれも診断をするために大切なことばかりですので、
解る範囲で、しっかりと答えるようにしてくださいね。
2回目の血液検査とは
糖尿病型と診断されたら、再検査で問診と、血液検査をします。
2度目の血液検査、とはいえ、
調べるのは同じ体の同じ血なんだから、
同じ結果じゃないの?
わざわざする必要があるのかしら?
それもそうですけどね。(^^;;
もう一度調べてより検査結果が間違いないものであると
より確実に判断することも必要ですし、
検査方法がひとつ増えて「随時血糖値」も調べることになります。
空腹でない時の血糖値のことですね。
2回目の血液検査で見る値は、糖尿病型を診断する値と同じです。
※空腹時血糖値:126mg/dl以上
※ブドウ糖負荷後2時間値:200mg/dl以上
プラス
※随時血糖値:200mg/dl以上
さらに、糖尿病の状態を調べる検査もあります。
ブドウ糖と結合したグリコヘモグロビンのうち、
HbA1cという糖尿病と関わりが深いヘモグロビンが、
赤血球の中に占める割合を調べます。
ご想像のとおり、割合は多いほど、良くないです、よね…。(^^;;
この結果や、問診を踏まえて、糖尿病と診断されるのです。
糖尿病と診断するポイント
ここまでで「糖尿病て、診断にステップが多いなぁ」と
感じませんでしたか?
糖尿病型と言う「糖尿病が強く疑われる」診断がおりてから、
そう、なかなか、道のりが長い…。
糖尿病という診断は、スグには下りないのですね。
糖尿病と診断されるには、
問診と2回目の血液検査が大きな決め手になります。
まず、問診では
1)糖尿病の典型的な症状がある(多飲多尿、体重減少、疲労感)
2)1回目の血液検査を併せ測定したHbA1c値が6.5%以上
3)確実な「糖尿病網膜症」がみられる
4)過去に糖尿病型と診断された履歴がある
この「4つのどれかに当てはまるなら、糖尿病」です。
あてはまらないなら、さらに2回目の血液検査の結果で
1)空腹時血糖値:126mg/dl以上
2)ブドウ糖負荷後2時間値:200mg/dl以上
3)随時血糖値:200mg/dl以上
この「3つのどれかに当てはまるなら、糖尿病」です。
当てはまらない場合のみ、
「糖尿病型」と診断されて、経過観察です。
あわわ…!油断してはいけませんよ、
限りなく糖尿病に近いところにいるんですから…。(^^;;
糖尿病と診断されたら合併症の検査
糖尿病は「知らない間に糖尿病でした」という患者さんが
非常に多いのが特徴的です。
特に、2次型糖尿病はその傾向が強く、
自覚症状がないまま、糖尿病がかなり重度まで進行しています。
そうなると、ただ糖尿病ですと診断して、
糖尿病の治療をするだけでは足りません。
なぜ?って…。糖尿病は合併症が怖い病気です。
そう、もうすでに合併症が出始めている疑いがあるのです。
合併症を調べる検査は、いくつかあります。
糖尿病と診断された時だけでなく、
糖尿病の治療をしながら定期的に検査を受けて、
合併症を引き起こしていないか
常に注意を配るように意識を持ってくださいね。
【アキレス腱反射検査】神経の状態を調べます。
【尿検査】腎臓の状態を調べます
【眼底検査】網膜の状態を調べます。
【心電図検査】心筋梗塞などの兆候を調べます。
糖尿病の状態を調べる検査
糖尿病と診断されたら、
糖尿病の状態をより詳しく調べる検査も、もちろん必要ですよね。
何度か出てきているHbA1cや、Cペプチドなど
糖尿病に関係のある血液成分を、より詳しく調べます。
【HbA1c】(ヘモグロビン エイワンシー)
血中の赤血球の成分であるヘモグロビンは、
血糖が高いほど、HbA1cの占める割合が多くなります。
空腹時血糖値などは、検査で異常値が出たら、
スグに生活習慣を見直せば正常値に戻ることが多いのですが、
HbA1cは、過去の平均的な血糖値の状態を反映するのですよ。
【Cペプチド】
すい臓のβ細胞でインスリンと結合している物質です。
すい臓のインスリン分泌と同時に分泌され、
血液に溶け込んで、尿に排泄されます。
インスリンと同じように体の中を流れるので、
すい臓のインスリン分泌状態を間接的に見ることができます。
インスリンの注射などをしているときも、
正確にすい臓の状態を知ることができますよね。
定期健診で早期発見に努めよう
糖尿病は自覚症状が少ないので見つけにくいことから、
定期的な健康診断を受けることがどれほど大切か解りますよね。
検査を面倒くさがらないこと、再検査を放置しないこと、
カラダに関わる大切なことですので、
絶対忘れないでくださいよ〜!耳が痛いですか?!(^^;;
ところで、2008年4月から、
「特定健診」と「特定保健指導」が義務付けられるのは
ご存知でしょうか?
聞き慣れないですよね〜。
40歳以上の人を対象に、一般的な健診よりキビシく健診を行って、
生活指導をバシバシして、予防をしていこうという制度です。
色々な病気を想定して検査をしますが、
糖尿病の検査もモチロン含まれます。
糖尿病をクローズアップすれば、
糖尿病型を診断するよりもっとキビシくで血糖を調べます。
スバリ!空腹時血糖値は100mg/dl以上なら指導対象!!
空腹時血糖値が予備軍の人も、指導対象にバッチリ加わります。
この特定健診と特定保健指導制度、
予防と言う意味では、とても効果的ではないでしょうか。
逆に、それだけ、いかに予備軍が多いかということ、
反省しなくてはなりませんね。(^^;;