薬物療法だけではダメですか?
病気の治療と言うと、薬による治療が一般的ですよね。
糖尿病もこれと同じ感覚で、
薬の治療だけに頼れないものかと考えてしまいます。
仕事で忙しかったり、面倒だったり、
ひとそれぞれ理由はありますが、薬だけで治るものなら、
薬だけでと考えるのも不思議ではありません。
しかし、糖尿病、特に2型糖尿病は、
肥満や運動不足、偏った食生活が原因で糖尿病になったのですから、
これを改善しない限り、糖尿病がよくなることはありません。
第一、生活習慣をまず直さなくては、
薬も良く効かないのですから。
薬での治療の前に、運動療法を食事療法、
この2つを正しく行い、健康な体づくりをすることが
糖尿病治療の第一歩なのです。
風邪などで体調を崩したら?
糖尿病の患者さんが病気で体調を崩したら、
それは「シックデー(sick day)」と言って病気の日を指します。
風邪などの感染症や、ウィルスによるインフルエンザ、
胃炎やケガも含まれます。
糖尿病の患者さんの場合は、発汗による脱水などで
血糖値が非常に高くなって、糖尿病昏睡と言う
非常に危険な状態になることもあるので、
注意して、早めに受診するようにしてください。
また、こういったことが原因で、気持ち悪くなったり、
食欲をなくしたり、食事が出来なくなることもありますよね。
健康な人なら、一食抜いてもちょっと休んでよくなるのですが、
糖尿病の患者さんはできるだけ食事を摂るようにしてください。
水分の補給も十分に行い、消化の良いものを食べます。
口当たりが良く栄養価の高い
アイスクリームなどがオススメですよ。
最後に、こんな時は、スグに受診してくださいね。
◆食事を取ることができない
◆下痢・嘔吐が続く、強い腹痛がある
◆38度以上の熱が続く
◆高血糖が続く(250ml/dl)
◆薬の調節の仕方がわからない
シックデーの薬の飲み方は?
風邪を引いたり、ケガをしたりするシックデーの時は、
食事を摂らなくても血糖値が高い状態に保たれています。
こんな状態で、いつものように薬を飲んだり、
逆に飲まなかったりすると、
血糖コントロールが上手くいかず、高血糖や低血糖を
引き起こす事態にもなりかねません。
【飲み薬を使用している人】
食事を食べられる量に応じて、量を減らす必要があります。
場合によっては、一時的にインスリン療法に
変更しなくてはならないので、早めに受診しましょう。
【インスリン療法をしている人】
食事の量に応じて、
インスリンの量を調整しながら継続します。
不明なことは問い合わせましょう。
糖尿病治療をしている時は、
体調を崩したのときの過ごし方さえも、
十分に気をつける必要があるのです。
感染症が起こりやすい?
高血糖は、体内に侵入した異物、細菌やウィルスを
駆除するカラダのシステム「免疫」の力を弱めるため、
感染症が起こりやすいとされています。
また一度かかると、治りにくいので、とても厄介です。
起こりやすい感染病と予防法を紹介しておきますね。
【呼吸器系】
風邪/気管支炎/肺炎など
こまめに手洗いうがいを慣行しましょう。
インフルエンザの時期には、予防注射を受けましょう。
【皮膚系】
かび/水虫/カンジタ病など
体を清潔に保ちましょう。
【泌尿器系】
膀胱炎/腎盂腎炎など
尿意をガマンしないで下さい。
普段から清潔に保つように心がけましょう。
もうひとつ、糖尿病神経障害があると、
皮膚の感覚、指先の感覚が鈍くなるので、
足の指や足の裏など、普段見えない部分は目で見て、
異常を見つけるようにしましょう。
お酒は全くダメですか?
仕事が終わって、毎日の晩酌を楽しみにしている人は
たくさんいらっしゃいますよね。
お酒は、適量ならば、緊張をほぐして、
ストレスの解消にもなるものです。
糖尿病になると、そんなささやかな楽しみまで
奪われてしまうのでしょうか?
食事療法とは、そこまで制限が及ぶものか、心配になりますよね。
糖尿病患者の人がお酒を飲むにはある条件があります。
コレをクリアできるならば、
お酒を楽しむことに問題はありません。
◆糖尿病の治療を行うことを忘れない
◆決められた量以上の飲酒は絶対にしない
◆血糖コントロールが良い状態である
◆合併症、高血圧、脂質異常症がない
◆すい臓、肝臓の病気がない
◆肥満、痛風がない
この条件を守ることができるなら、
1日に日本酒なら1合程度の飲酒が許可されることがあります。
…厳しいですか?
そうなんです、許可ってコトは、医師と相談の上ですね。
でも、治ってからゆっくり楽しむ方法だってありますから、
いそがず、焦らず、治療を進めましょう。
禁煙をしなくてはなりませんか?
糖尿病治療と喫煙、どうなんでしょうね?
アルコールには、条件つき適量ならというお許しがありますが
喫煙、タバコは、絶対にNGです。
最初からダメかな?と、うすうす感づいていますよね。
そのとおりで、治療の妨げになるので、
早いうちに止めてくださいね。
タバコは、有害な物質をたくさん含んでいますし、
吸うことで血管が萎縮するために、血流に障害が出ます。
また、合併症を悪化させるだけでなく、
動脈硬化を促す行為になってしまいますので、
キッパリとタバコは絶つようにしましょう。
禁煙すると、味覚が良い状態に戻り、
食べ物が美味しく感じられるようになります。
すると、自然に食欲がより沸いてしまうものですが、
食事療法は正しい量を守って、キチンと続けてください。
果物をたくさん取るのは良いですか?
果物には、新鮮で美味しくて栄養がいい、
健康的なイメージがありますよね。
美容にもよさそうで、ビタミンCなどの栄養素を
たくさん摂ることが出来そうです。
しかし、好きなだけ食べるのはキケンです。
問題は、果物の「甘さ」で、果物に含まれる加糖という成分が
肥満などの原因になってしまうことがあります。
果物だったら食べていいという認識は誤解ですので、
間違わないようにしてくださいね。
食事療法の範囲内で食べるようにしましょう。
野菜も低エネルギーでオススメですが、
ドレッシングやマヨネーズで、
油分を足し過ぎないように気をつけましょう。
味付けにはノンオイルドレッシングを使うとか、
お酢もオススメですよ。
海外旅行をする時の注意は?
インスリン療法を行っていても、もちろん旅行は出来ます。
国内、海外問わず旅行を楽しむことはできますし、
どんどん、出かけていただきたいですね。
旅先の食事は気をつけて摂るようにしてくださいね。
美味しくて食が進みすぎてしまったり、
今日ぐらいいいかなって思ってしまいがちです。
旅行に行く際に注意したいことは、
血糖のコントロールが上手くいっていることが大前提です。
体調も良いこと、そして自己管理を行えること、
これだけはしっかり守るようにしましょう。
インスリン療法を行っている時の海外旅行で
気をつけるべきことを挙げておきますね。
◆インスリン療法に必要なものは、手荷物で機内持ち込みにする
◆旅行中のインスリン注射について、医師に確認しておく
◆届出が必要なものの届出を忘れない
◆機内食に糖尿病食がある場合もあるので、確認する
◆エコノミー症候群に気をつけて、姿勢をマメに変える
◆水分補給をマメに行う
◆ブドウ糖や軽食(クラッカーなど)を持っておく
◆英文の診断書があると便利
現地での受診、インスリン製剤の処方が受けられる
食事の調味のコツを教えて
たっぷりと食事を好きなだけ食べていた人が、
いきなり食事療法と言われ、実行すると
あまりの物足りなさに、げんなりしてしまいますよね。
糖尿病の食事療法=好きなものを食べられないではなくて、
同じモノを作るときでも、材料や添え物などの工夫をすることで、
低エネルギーでたくさん食べて満足できる食事になります。
調理、調味のコツを紹介しますので、ぜひ取り入れてくださいね。
◆野菜はゆでてかさを減らせば、量をたくさん食べることが出来る。
特に、ミズナはゆでてかさを減らして食べるのがお勧め。
◆歯ごたえのある野菜(たけのこやゴボウ)などは、
たくさんかむことで満足感が出る。
◆ハクサイで副菜を作ると、たくさん食べることが出来る。
色々な味付け(ゴマやポン酢、醤油など)で楽しめる。
◆ごはんは玄米がオススメ。
◆ささみは、片栗粉をまぶして、パサつきを防止。
◆きのこは低エネルギーなのでたっぷり使う。
◆とんかつよりから揚げ、から揚げより、素揚げ。
◆肉の代わりに厚揚げや、シーフードミックスを使う。
◆ひき肉におからや大豆を混ぜるとヘルシーに。
この他、工夫はいっぱいあります。
身近なもので、できることからはじめましょう。